- 2025.12.23
- 投資関連
サーブ・バイオファーマ株式会社への新規投資について
京都大学イノベーションキャピタル株式会社(以下「京都iCAP」)(本社:京都市左京区、代表取締役:楠美 公)を無限責任組合員とするイノベーション京都2021投資事業有限責任組合(以下「KYOTO-iCAP2号ファンド」)は、鹿児島大学の研究成果を活用するベンチャー企業であるサーブ・バイオファーマ株式会社(本社:鹿児島県鹿児島市、代表取締役:山田 昌樹)に対する新規投資を実行いたしました。
今回の投資の概要
サーブ社は、鹿児島大学における研究成果を基盤として設立されたスタートアップであり、腫瘍溶解性ウイルスを用いたがん治療薬の研究開発を行っています。
同社が開発する腫瘍溶解性ウイルス「Surv.m-CRA-1」は、がん細胞で特異的に活性化するサバイビン(Survivin)プロモーターを利用し、腫瘍細胞において選択的にウイルスが複製・増殖することで、腫瘍破壊と二次的な抗腫瘍免疫誘導を同時に実現する次世代のウイルス療法です。正常細胞への影響を最小限に抑えつつ、高い抗腫瘍活性を発揮する点を特徴としています。
Surv.m-CRA-1は、第Ⅰ相および第Ⅱ相医師主導治験において、安全性ならびに原発性悪性骨腫瘍を対象とした有効性について極めて良好な結果が得られています。これらの成績を踏まえ2025年11月より、薬事承認取得を目指した第Ⅲ相医師主導治験が開始されています。
またサーブ社は、Surv.m-CRA-1で確立した多因子増殖制御型アデノウイルス(m-CRA)技術を基盤として、免疫遺伝子を搭載した次世代腫瘍溶解性ウイルスなどの後続パイプラインの非臨床開発を進めています。全身性の抗腫瘍免疫誘導や転移がん治療も視野に入れたプラットフォーム戦略により、希少がん・難治性がん領域におけるアンメット・メディカル・ニーズの解消を目指しています。
京都iCAPは、Surv.m-CRA-1の優れた腫瘍選択性、安全性および有効性、ならびに治験における極めて良好な臨床成績を高く評価しました。加えて、希少がん治療における社会的意義の大きさを踏まえ、本技術ががん治療の新たな選択肢となり得る高いポテンシャルを有すると判断し、今回の調達ラウンドにおいて2億円の投資を実行しました。
サーブ・バイオファーマ株式会社 概要
設立 :2022年8月
事業内容 :腫瘍溶解性ウイルスを含む遺伝子治療薬の研究開発
本社所在地:鹿児島県鹿児島市桜ヶ丘8-35-1鹿児島大学大学院医歯学総合研究科内(医歯学総合研究科棟5, 1階)
代表取締役:山田 昌樹
HP :https://www.survbiopharma.co.jp/
京都大学イノベーションキャピタル株式会社について
京都iCAPは、京都大学 100%出資子会社として、京都大学を中心とした国立大学から生まれた研究成果を活用する企業を対象に投資やその他の事業支援を行っております。当社は現在、総額160億円のイノベーション京都2016投資事業有限責任組合(以下「KYOTO-iCAP1号ファンド」)(2016年1月設立)と総額181億円のKYOTO-iCAP 2号ファンド(2021年1月設立)を運営しています。KYOTO-iCAP 1号ファンドの満期は最長20年、KYOTO-iCAP 2号ファンドの満期は最長17年に設定しており、基礎研究に強みを持つ京都大学の研究成果の実用化を長期にわたって支援することが可能となっています。また、KYOTO-iCAP 2号ファンドでは、一部資金を京都大学以外の国立大学発ベンチャーに投資することとしています。
【お問い合わせ先】
京都大学イノベーションキャピタル株式会社
〒606-8317 京都市左京区吉田本町36番地1
事業企画部長(広報担当) 河野修己
TEL:075-753-7588 FAX:075-753-7592
E-mail:info@kyoto-unicap.co.jp

