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  • 2023.10.27
  • 投資関連

株式会社BTB創薬研究センターへの追加投資について

京都大学イノベーションキャピタル株式会社(以下「京都iCAP」)(本社:京都市左京区、代表取締役:楠美公)を無限責任組合員とするイノベーション京都2021投資事業有限責任組合(以下「KYOTO-iCAP2号ファンド」)は、京都大学の研究成果を活用するベンチャー企業である株式会社BTB創薬研究センター(以下、「BTB社」)(本社:京都市左京区、代表取締役:大菊鋼)に対する投資を実行いたしました。

○今回の投資の概要
BTB社は、京都大学大学院医学研究科形態形成機構学教室の萩原正敏教授が中心となり設立された創薬ベンチャーであり、新規非オピオイド疼痛抑制薬ENDOPIN及び次世代がん免疫療法RECTASの開発を実施しています。

ENDOPINは、アドレナリン受容体α2B阻害による、新規の作用メカニズムを持つ経口非オピオイド疼痛抑制薬です。本剤は非臨床試験にて合成オピオイドに匹敵する強力な疼痛抑制効果を有しながら、消化管障害や依存性などの副作用を惹起しない薬剤として見い出され、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が実施する令和2年度「医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)」及び令和5年度「創薬ベンチャーエコシステム強化事業」に採択され、臨床開発を進めています。本剤は疼痛に苦しむ多くの人々に合成オピオイドに代わる新たな選択肢を与えるのみならず、米国を中心としたオピオイド疼痛治療薬の過剰摂取による死亡者の急増という喫緊の社会課題を解決しうる薬剤となることが期待されます。

RECTASは、スプライスネオ抗原誘導による、次世代がん免疫療法薬です。本剤はRNAスプライスパターン変調によって産生させたスプライスネオ抗原を目印として細胞傷害性CD8陽性細胞によるがん免疫を誘導するため、免疫チェックポイント阻害剤の効果を増強することが期待されます。また、本剤のメカニズムであるスプライシング制御はスプライシング異常に起因する先天性希少疾患(心ファブリ病、先天性QT延長症候群1型及び家族性自律神経失調症等)へも展開可能であり、AMEDが実施する令和3年度 「創薬支援推進事業―希少疾病用医薬品指定前実用化支援事業―」にも採択されております。

BTB社はアカデミアの先端的な基礎研究の成果をもとに、研究開発を効率的かつ高いスピードで実施し、疾病等に悩む人々に新薬を届ける社会基盤となることを使命としています。

同社の研究開発プロジェクトは、京都大学GAPファンドプログラム及びインキュベーションプログラムの助成を受けて実施され、京都iCAPによる支援を受けて創業されました。

京都iCAPはBTB社の保有する2本のパイプラインの高いポテンシャルを評価し、第三者割当増資を引き受ける投資契約をBTB社と締結、総額1億円の投資を実行しており、投資と同時に社外取締役1名を派遣し、経営全般への支援を行ってまいりました。今回新たに無担保転換社債型新株予約権付社債に関する契約を締結し、総額1.5億円の追加投資を実行いたしました。

株式会社BTB創薬研究センター 概要
設立    2020年6月
事業内容  新規疼痛治療薬及び次世代がん免疫療法薬の開発
本社所在地 京都市左京区
代表取締役 大菊 鋼(おおぎく つよし)
HP:https://btb-newdrug.co.jp/

○京都大学イノベーションキャピタル株式会社(京都iCAP)について
京都iCAPは、京都大学 100%出資子会社として、京都大学を中心とした国立大学から生まれた研究成果を活用する企業を対象に投資やその他の事業支援を行っております。当社は現在、総額160億円のイノベーション京都2016投資事業有限責任組合(以下「KYOTO-iCAP1号ファンド」)(2016年1月設立)と総額181億円のKYOTO-iCAP2号ファンド(2021年1月設立)を運営しています。KYOTO-iCAP 1号ファンドの満期は最長20年、KYOTO-iCAP 2号ファンドの満期は最長17年に設定しており、基礎研究に強みを持つ京都大学の研究成果の実用化を長期にわたって支援することが可能となっています。また、KYOTO-iCAP 2号ファンドでは、一部資金を京都大学以外の国立大学発ベンチャーに投資することとしています。

【お問い合わせ先】
京都大学イノベーションキャピタル株式会社
〒606-8317 京都市左京区吉田本町36番地1
事業企画部長(広報担当) 河野修己
TEL:075-753-7588  FAX:075-753-7592
E-mail:info@kyoto-unicap.co.jp

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