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  • 2023.9.15
  • 投資関連

株式会社TSKへの追加投資について

京都大学イノベーションキャピタル株式会社(以下「京都iCAP」)(本社:京都市左京区、代表取締役:楠美公)を無限責任組合員とするイノベーション京都2021投資事業有限責任組合(以下「KYOTO-iCAP2号ファンド」)は、京都大学の研究成果を活用するベンチャー企業である株式会社TSK(本社:京都府相楽郡精華町、代表取締役:孫 恩喆)に対する追加投資を実行いたしました。

○今回の投資の概要
TSKは、京都大学化学研究所の中村正治教授(有機分子変換化学研究領域)の鉄触媒に関する研究成果を基に、2021年7月に設立された京都大学発ベンチャーです。

有機EL材料や医農薬などの高性能な有機化合物の合成にはパラジウムなどの重貴金属触媒が必要です。しかし、その主要な採掘地であるロシアや中国の地政学的リスクや採掘時の土壌汚染によるESGへの配慮の高まりから、重貴金属代替として安価で安全な鉄触媒が注目されています。ただし、鉄触媒は、高圧で大型の合成反応器を必要とするため、これまで一部の用途に限られていました。

TSKは、中村教授と独占的な共同研究契約を締結し、鉄触媒で産業利用可能な新しい有機EL材料等の開発を進めています。これまでに70種以上の新規有機化合物の合成に成功し、一部の材料は大手メーカーとも共同研究を進めています。今後、TSKは、新規有機化合物の開発に加え、メーカーと協力して鉄を触媒とした様々な化合物の合成に取り組み、環境への配慮を促進したグリーン化対応材料の供給にも取り組んでいきます。

京都iCAPは、TSKの「鉄触媒化学」にかかる研究開発能力と鉄触媒技術の社会的な意義を評価し、第三者割当増資による1億円の追加投資を実行しました。なお今回の増資には、SMBCベンチャーキャピタル株式会社、京銀リース・キャピタル株式会社、池田泉州キャピタル株式会社、南都キャピタルパートナーズ株式会社も参画しています。

株式会社TSK 概要
設立    2021年7月
事業内容  鉄触媒技術を用いた新規化合物の開発と販売、および製法支援
本社所在地 京都府相楽郡精華町
代表取締役 孫 恩喆
HP:https://tsk.kyoto/

○京都大学イノベーションキャピタル株式会社(京都iCAP)について
京都iCAPは、京都大学 100%出資子会社として、京都大学を中心とした国立大学から生まれた研究成果を活用する企業を対象に投資やその他の事業支援を行っております。当社は現在、総額160億円のイノベーション京都2016投資事業有限責任組合(以下「KYOTO-iCAP1号ファンド」)(2016年1月設立)と総額181億円のKYOTO-iCAP2号ファンド(2021年1月設立)を運営しています。KYOTO-iCAP 1号ファンドの満期は最長20年、KYOTO-iCAP 2号ファンドの満期は最長17年に設定しており、基礎研究に強みを持つ京都大学の研究成果の実用化を長期にわたって支援することが可能となっています。また、KYOTO-iCAP 2号ファンドでは、一部資金を京都大学以外の国立大学発ベンチャーに投資することとしています。

【お問い合わせ先】
京都大学イノベーションキャピタル株式会社
〒606-8317 京都市左京区吉田本町36番地1
事業企画部長(広報担当) 河野修己
TEL:075-753-7588  FAX:075-753-7592
E-mail:info@kyoto-unicap.co.jp

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