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  • 2022.12.19
  • 投資関連

サンリット・シードリングス株式会社への新規投資について

京都大学イノベーションキャピタル株式会社(以下「京都iCAP」)(本社:京都市左京区、代表取締役:楠美公)を無限責任組合員とするイノベーション京都2021投資事業有限責任組合(以下「KYOTO-iCAP2号ファンド」)は、京都大学発ベンチャー企業のサンリット・シードリングス株式会社(本社:京都市左京区、代表取締役:石川奏太)に対する新規投資を実行いたしました。

○今回の投資の概要
サンリット・シードリングスは、京都大学生態学研究センターの東樹宏和准教授が中心となり設立された、自然生態系の機能を最大化することで産業のサステナビリティに貢献する企業です。

世界人口が増加する一方、農地の荒廃や肥料の価格高騰、環境規制強化による農薬使用量減などで世界の食糧生産量は減少の危機を迎えつつあります。バナナや天然ゴム、ナツメヤシのプランテーションでは病害虫の被害が防ぎきれず持続的生産の危機を迎える例もみられます。一方でより厳しい自然環境下では、気候・土壌・多様な生物(動植物・菌類・細菌)などが互いに影響し合いレジリエント(環境の変化に順応的)な生態系を形成し、人間による肥料の投与や管理などの介入を行うことなく植物が安定的に生育していると考えられていますが、これまで、複雑系たる生態系全体の力を農業生産に活用する取り組みは充分になされていませんでした。

京都大学生態学研究センター東樹研究室では、生態学・ゲノム科学・情報科学などを統合し、土壌圏や水圏の生物多様性を大規模に分析し、生態系の構造や動態を俯瞰的に解明してきました。その基盤技術を活かし、数千・数万種の生物の中から、生態系全体の安定性とパフォーマンスを左右する「コア微生物」を特定する方法を開発しました。

サンリット・シードリングスではその技術を発展させ、コア微生物を添加した苗「強化苗」における肥料使用量低減・生育期間短縮効果を確認するとともに、土壌生物叢の構造・動態予測を基に、劣化してしまった土地の生態系を持続可能な形へ高速誘導する手法「生態系コア修復」技術及びその要素技術としての「生態系コア制御」「生態系コア設計」技術を確立したほか、これら技術を活用する共同事業を企業・自治体と多数推進してきました。

今後同社は、コア微生物を活用した農業向け事業・「生態系コア制御・設計・修復」技術を核とした環境向け事業を加速させ、生物多様性および自然資本に配慮した持続的な人類の発展に貢献してゆきます。

京都iCAP は、複数分野にまたがるサイエンスから現場課題までを広く包摂する技術基盤を同社が有すること、農業や環境再生の現場から高い評価が得られつつあることを踏まえ、事業の将来性を高く評価し、第三者割当増資による9450万円の新規投資を実行しました。また、投資と同時に社外取締役1名を派遣し、経営全般への支援も行います。

サンリット・シードリングス株式会社 概要

設立 2020年1月
事業内容 生物生態系の制御による農業・環境・産業分野の新規技術開発
本社所在地 京都市左京区
代表取締役 石川 奏太(いしかわ そうた)

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