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  • 2022.12.12
  • 投資関連

Link Therapeutics株式会社への新規投資について

京都大学イノベーションキャピタル株式会社(以下、「京都iCAP」)(本社:京都市左京区、代表取締役:楠美公)を無限責任組合員とする「イノベーション京都2021投資事業有限責 任組合」(以下「KYOTO-iCAP2号ファンド」)は、Link Therapeutics株式会社(以下、「Link Tx」)(本社:京都市左京区、代表取締役:阿部佳子)への新規投資を実行いたしました。

〇今回の投資の概要
Link Txは、京都大学大学院医学研究科の塩川雅広助教(消化器内科学講座)らの研究成果を基に、京都iCAPの支援により2022年10月に設立されたバイオテク企業です。

Link Txは、自己抗体が原因となっている疾患の病態解明と自己抗体を標的とした治療手段の創出にかかる研究開発を進め、医療の発展と患者の健康へ貢献することを目的に設立されました。塩川助教らはこれまでに、潰瘍性大腸炎の患者にてインテグリンαVβ6に対する自己抗体(抗インテグリンαVβ6抗体)が高発現している事を見出しました(Kuwada etal. 2021)。この抗インテグリンαVβ6抗体は、大腸上皮細胞に発現するインテグリンαVβ6と結合組織の基底膜に発現するフィブロネクチンによる上皮細胞と基底膜の結合を遮断し、大腸上皮を剥離して潰瘍を形成する可能性が考えられました。現在、京都大学は、抗インテグリンαVβ6 抗体が潰瘍性大腸炎の原因自己抗体であると考え、更なる研究を進めています。

Link Tx は、塩川助教らと京都大学の研究成果を基とした事業化について話し合いを進め、抗インテグリンαVβ6抗体を含む自己抗体を標的とした新たな医療手段の創出を目指すこととしました。本事業の推進にあたり、千葉勉名誉教授(京都大学大学院医学研究科消化器内科学講座)がLink Tx の科学諮問委員に就任し、医療的・科学的な助言を得て研究開発を進めます。

京都iCAPは、Link Txの自己抗体を標的とした研究開発の方針が、未知病態の解明と新たな医療手段の創出につながるであろうことを期待し、300万円の新規投資を実行いたしました。本設立出資には阿部佳子代表取締役に加え、創業科学者として塩川助教と桒田威研究員(神戸大学大学院医学研究科 日本学術振興会特別研究員、京都大学大学院医学研究科客員研究員)が参加いたしました。

引用文献:Takeshi Kuwada, Masahiro Shiokawa, Yuzo Kodama, Norimitsu Uza, Tsutomu Chiba. Hiroshi Seno, Identification of an Anti–Integrin αvβ6 Autoantibody in Patients With Ulcerative Colitis, VOLUME 160, ISSUE 7, P2383-2394.E21, JUNE 01, 2021

〇Link Therapeutics株式会社について

設立 2022年10月4日
事業内容 自己抗体を標的とした医療手段の創出、および自己抗体と関与する疾患とその標的自己抗体の探索
本社所在地 京都市左京区吉田本町36番地1
代表取締役 阿部 佳子

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