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  • 2021.4.6
  • 投資関連

株式会社BTB創薬研究センターへの投資について~京都iCAP2号ファンド初の投資実行~

京都大学イノベーションキャピタル株式会社(以下「京都iCAP」)(本社:京都市左京区、研究成果を活用するベンチャー企業である株式会社BTB創薬研究センター(以下「BTB社」)(本社:京都市左京区、代表取締役:澤田照夫)に対する投資を実行いたしました。なお、本件投資はKYOTO-iCAP2号ファンドの投資第1号案件です。

○今回の投資の概要
BTB社は、京都大学大学院医学研究科形態形成機構学教室の萩原正敏教授が中心となり設立された創薬ベンチャーであり、新規疼痛治療薬ENDOPIN及び遺伝性難病治療薬RECTASの開発を実施しています。
ENDOPINは、内因性オピオイドの分泌を促すという、これまでにない作用メカニズムを持つ非オピオイド性疼痛薬です。本剤は、非臨床試験にて合成オピオイドに匹敵する強力な疼痛抑制効果を有するにも拘らず、消化管障害や依存性など合成オピオイドに見られる副作用を惹起しない薬剤として、萩原教授らの研究グループにより見い出されました。本剤の開発プロジェクトは、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が実施する令和2年度 「医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)」にも採択され、今後は同機構からの委託事業として実施されます。近年、米国を中心にオピオイド疼痛治療薬の過剰摂取による死亡者数が急増し5万人に達するなど、オピオイドクライシスと呼ばれ社会問題となっています。本剤は疼痛に苦しむ多くの人々に合成オピオイドに代わる新たな選択肢を与えるのみならず、オピオイドクライシスという喫緊の社会課題を解決しうる薬剤となることが期待されます。
RECTASは、スプライシング異常に起因する先天性希少疾病の治療薬です。萩原教授らの研究グループは、多形性心室頻拍による突然死をもたらす難治性不整脈疾患である先天性QT延長症候群の1型(以下「LQT1」)についてスプライス変異に着目し、自身が開発したスプライシング制御化合物RECTASの有効性をiPS細胞や動物実験にて確認しました。LQTは成人だけでなく小児の致死症例も多く、アンメットニーズの高い希少疾患に対する、精密先進医療と呼ぶべき新たな治療の選択肢を提供することが期待されます。本剤の開発プロジェクトは、AMEDが実施する令和3年度「創薬支援推進事業 ―希少疾病用医薬品指定前実用化支援事業―」にも採択され、今後は同機構からの委託事業として研究開発が実施されます。
BTB社はアカデミアで見出された先端的な基礎研究の成果をもとに、最もリスクの高い初期段階の研究開発を効率的かつ高いスピードで実施し、希少疾病等に悩む人々のもとに新薬を届ける社会基盤となることを最終的な使命としています。
同社の研究開発プロジェクトはこれまで、京都大学GAPファンドプログラム及びインキュベーションプログラムの助成を受けて実施されました。また、設立前から京都iCAPによる支援を受けて創業されました。
京都iCAPはBTB社の保有する2本のパイプラインの高いポテンシャルを評価し、第三者割当増資を引き受ける投資契約をBTB社と締結、総額1億円の投資を実行しました。また、投資と同時に社外取締役1名を派遣し、経営全般への支援も行います。

株式会社BTB創薬研究センター 概要

設立 2020年6月
事業内容 新規疼痛治療薬及びスプライシング調節希少疾病治療薬の開発
本社所在地 京都市左京区
代表取締役 澤田 照夫(さわだ てるお)

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