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  • 2019.6.28
  • 投資関連

サイアス株式会社への投資について

京都大学イノベーションキャピタル株式会社(以下「京都iCAP」)(本社:京都市左京区、 代表取締役:室田 浩司)を無限責任組合員とするイノベーション京都2016投資事業有限責 任組合(以下「KYOTO-iCAP1号ファンド」)は、京都大学の研究成果を活用するベンチャー企業であるサイアス株式会社(以下「サイアス」)(本社:京都市左京区、代表取締役: 等泰道)に対する追加投資を実行いたしました。

○今回の投資の概要
サイアスは、患者自身の細胞傷害性T細胞(キラーT細胞、CTL)から作製したヒトiPS細胞を用いてT細胞を再生し、がんや感染症に対するT細胞療法の実用化を目指す再生医療ベンチャーです。患者の腫瘍組織や末梢血に浸潤したCTLは、がん細胞を認識して特異的に傷害する働きを持ち、培養・増殖させて移植することで抗腫瘍効果が期待できます。しかしCTLは体外での培養・増殖が難しく、またCTL自体の疲弊により細胞傷害活性が低下するという問題がありました。このCTLを一旦、iPS細胞に初期化することで、疲弊が解除され、再び細胞傷害活性を有するCTLに分化・誘導でき、かつ大量に増殖することが可能となります。サイアスではこの技術により世界初となる自家再生T細胞(T-iPS細胞)による免疫療法の実現を目指しています。

サイアスは、京都大学iPS細胞研究所(CiRA)金子研究室(金子新准教授)と共同研究契約を締結し、T-iPS細胞の自家療法への応用に向けた開発を進めています。また自社特許の構築はもちろんのこと、2019年1月にはiPSアカデミアジャパン株式会社(本社:京都市左京区、代表取締役:白橋 光臣)との間で機能性T細胞への分化誘導技術に関する京都大学の特許群について、同年6月にはオンコセラピー・サイエンス株式会社(以下「OTS」)(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長:藤谷 京子)との間で特定のがん治療用ペプチドワクチンに関連する特許群について、自家免疫・再生医療製品の開発・提供等を行うための独占的通常実施権の許諾契約を締結するなど、特許ポートフォリオの充実に努めています。現在、細胞製造方法の確定等をはじめとして、早期の前臨床・臨床試験開始に向けた準備を着実に進めております。京都iCAPでは、京都大学のiPS細胞技術を用いて、先進的ながん免疫療法の重要な技術となり得る再生T細胞療法を一日も早く患者に送り届けようとするサイアスの挑戦とその社会的意義を評価して、今回の投資を決定しました。京都iCAPは、SMBCベンチャーキャピタル株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:石橋達史)とともに、サイアスと総額6億円の投資契約を締結し、6月28日時点において、その一部として2億円の第三者割当増資のうち1億円を引き受けいたしました。

サイアス株式会社 概要

設立 2015年8月24日
事業内容 再生T細胞(T-iPS細胞)によるがん等の治療法の開発
本社所在地 京都市左京区
代表取締役 等 泰道

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